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執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状(8)

更新日:2020年7月5日

患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2019年10月11日付で公開質問状(8)を送付しました。


立正佼成会附属佼成病院 

病院長 甲能直幸 様

公 開 質 問 状(8)

2019年10月11日


前略

 空が澄みわたり清秋の爽やかな季節となりました。

二週間経ちましたので第8回公開質問状をお送りいたします。本来なら参上してご説明申し上げるところではありますが、メールと郵送にて失礼しております。

病院長様が私達の面談をお断りなされた後、令和元年6月30日に第1回公開質問状をご送付致しました。しかしながら病院長様からは、未だ一度もご返事がありません。

病院長様には、佼成病院のトップとして社会的責任であるアカウンタビリティは必須ですのでご回答をお待ちいたします。


また貴院は、入院患者の安全性を問われる経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として開かれた医療を進めるためにもご意見・ご回答をお寄せになることが道義的にも期待されるところです。

2019年9月29日(日曜日)讀賣新聞朝刊、高齢がん治療意思を尊重の記事中に、以下の記載がありました。

「高齢のがん患者が治療法などを自分で決める「意思決定」の支援策として、厚生労働省が今年度内にも、医療者向けガイドライン(手引)を作成する。具体的な支援の基準を示し、本人の意思に沿わない過剰な医療や治療の差し控えを防ぐ。

患者本人の意思の尊重は、がんに限らず、医療の基本的理念になりつつある。・・全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、『当たり前のことだが、治療方針の決定では本人が尊重されるべきだ。』」


ところが貴院の岩﨑正知医師は、ご自身の理念で「患者さんには意思確認をしない。キーパーソンさんと話す」などを述べられました。

岩﨑医師は、家族の知らないところで独自の設定(長男=キーパーソン)で決めたキーパーソンの治療拒否に従い、翌日(8月21日)より患者の治療法を変更・中止しました。

患者の容体が悪化して行きましたが、その後も岩﨑医師はキーパーソンの治療拒否に従いました。キーパーソンが酸素吸入を拒否すれば岩﨑医師は、呼吸が低下した患者の酸素マスクを外しました。

しかし岩﨑医師自身は、「もとより、酸素がある方が本人は楽であろうが・・」などと酸素がある方が患者は楽であるという酸素の効用を述べています。

9月7日の夕方、岩﨑医師は、一生懸命頑張って呼吸をしている患者の面前で「苦しそうに見えますが今お花畑です」と意味の分からないことを述べられただけで退室されました。実はこの日の朝、岩﨑医師は、キーパーソンと母親に「死を迎えさせる」確認を済ませていました。

しかし当時の家族達は、母親の治療がされないで、死ぬことが決められていることを知りませんでした。またキーパーソンの要望で母親は、酸素マスクをされず自力呼吸を強いられていることも知りませんでした。それどころか、家族は、やるべき治療はやってくれているものと信じて疑いませんでした。


翌日9月8日の朝、母親の喉に痰が絡んでゼェ―ゼェーしていましたが、そのうち「ヒェッ」と一声あげました。そこでキーパーソンはナースコールを押しました。それからしばらくして看護師が来て痰の吸引をしてくれましたが母親は冷たくなりました。 (後日キーパーソンは、「看護師が吸引に来るのが遅れたのだ」と痰の吸引が間に合わなかった理由を看護師のせいにしました。)

痰の吸引は出来ませんでした。看護師が退出した後、心電図が入って来ました。その後で岩﨑医師が来ました。

家族達は、「死ぬとは思わなかった」と話し合っていました。

キーパーソンは、岩﨑医師に菓子折りと謝礼を渡してお礼をしました。岩﨑医師は、「私は生かしたわけではないので」と語りました。

母親の死より2年経ってから、家族が見た岩﨑医師の記録9月8日には、「SPO2 80台でありながら本日をむかえた!」と記録されていました。また以下のような記録もあります。

8月20日「family(son)は 延命につながる治療を全て拒否。現在Divで維持しているのも好ましく思っていないようである。本日にてDiv終了し、明日からEDを再開する」

8月27日「抗生剤変更、増強したいところであるが、familyはやんわりとではあるが高度医療は拒否されている」

9月3日「familyの要望通り酸素吸入も行われない。当直時間帯のみ許可」

9月4日「基本的に酸素吸入は行われないが、夜間のみ少量の酸素吸入を行う場合あり」

9月5日「夜間以外は酸素投与を行わず」にフォロアップする。

9月7日「6:00AM family(息子)callの上自然死の方針を確認」

何も知らなかった家族は、岩﨑医師の記録を見て驚きました。昼間の母親は、呼吸が苦しそうでしたが、生きようと頑張って呼吸をしていました。しかし家族達は、キーパーソンが酸素吸入を拒否したから母親は、酸素マスクをされないで自力呼吸をさせられている、とは知りませんでした。

9月3日から6日にかけては、夜間だけ酸素投与をして朝になると外しました。その理由を貴院は、「夜間に呼吸が停止しないようにしている(もとより、酸素がある方が本人は楽であろうが)ものである。夜間に最期を迎えて家族をアタフタさせることがないようにとの配慮である。しかし・・夜間は手薄にならざるを得ない」など病院の都合で夜間に患者が死んでしまわないように酸素投与をしたことを述べました。

つまり貴院は、キーパーソンが酸素吸入を拒否したから患者に自力呼吸をさせました。でも、夜間は手薄など佼成病院の都合で夜間に患者が死なないように夜間だけ酸素マスクをして「もとより、酸素がある方が本人は楽であろうが」と分かっていながらキーパーソンの要望に従って朝になると酸素マスクを外しました。他の家族達は、佼成病院でこのようなことが行われていたことを知りませんでした。

医療は、病院の都合や家族の都合で行われるものではなく、患者に苦痛を与えない努力をするなど患者の幸せのために行われるべきものではないのでしょうか?

医療は、「倫理観」に支えられた「人道的」なものであってほしいです。

理念とは、病院の理念、医師個人の理念、それぞれあることとは思います。また理念と一口に言っても人によって多少の違いがあるものです。

病院長様が岩﨑医師と全く同じお考えとは思えないのですが、病院長様は高齢者医療についてどうなお考えをお持ちでしょうか?


いつものように2019年6月30日付 第1回公開質問状を以下に掲載いたします。ご回答は2週間以内に郵送でお願いします。患者主体の開かれた医療にするためには、市民と共に考え、議論を深めることが必要です。この質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。


草々

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