患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2019年9月13日付で公開質問状を送付しました。
立正佼成会附属佼成病院 御中
病院長 甲能直幸 様
公開質問状(6)
2019年9月13日
前略
暑かった夏も過ぎて行くと思いましたらぶり返しました。思う様にはいかないようです。病院長様にはお変わりなくおすごしでしょうか。
早いもので貴院総務課小林謙之職員より、私達の面談をお断りなされて以来、①6月30日付にて公開質問状をご送付申し上げ、その後督促を②7月19日、③8月2日、④8月17日、⑤8月30日とご送付しました。今回で6回目となります。その都度メールと郵送とを合わせて病院長様宛にご送付しております。
本書面は、国際規格ISO26000として組織が果たすべき説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、人権の尊重など企業の社会定責任を問うものです。
とりわけ貴院は、東京都指定二次救急医療機関です。地域の方々や社会に信頼される組織づくりに心がけておられることと思います。
そのためには、あたたかい心が通う、満足度の高い医療の提供を目指して、また思いやりの心を持ち、患者さんの立場に立って診療することができる、人間性豊かな医療の提供と、医療従事者の育成にも心を配り日々の努力と実践に励まれておられることと私達は期待しています。
林田医療裁判では、患者の長男が患者の経鼻経管栄養の流入速度を速めるという違法行為をしました。その後、患者は嘔吐をして具合が悪くなりました。担当医である岩﨑正知医師の記録には数か所に「誤嚥性肺炎を発症」と記録されています。
しかし、貴院では開始時間、終了時間を記録していませんでした。そのため速度を速められたことに気がつきませんでした。
「あなたの病院では、開始時間、終了時間を記録していないのですか?」の問いに対して岩﨑正知医師は、「みたいですね」と回答されています。
入院患者の安全管理の重要性は、医療現場の医師によって多少の違いがあるとは思われますが、現在の貴院では、入院患者の安全を確保するためにどのような対策を採られておられるのでしょうか?
第1回公開質問状の質問事項1.2.3.の内容は、根拠のあるものですので佼成病院の安全性の向上に役立つものと私達は考えます。是非これを好機として活用して頂きたいです。
いつものように第1回公開質問状を以下に掲載いたします。質問の趣旨をご理解いただき、ご回答は2週間以内にお願いします。市民と共に医療のあり方を考え、議論を深めるために、質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。
いくらか過ごしやすくなりましたが、残暑厳しきおりお体をご自愛ください。
草々
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公 開 質 問 状(第1回)
第1 質問事項
1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。
2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。
3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。
第2 質問の趣旨
1 林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。
2 そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。
3 従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。
以上
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