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執筆者の写真林田医療裁判

立正佼成会附属佼成病院への公開質問状(5)

更新日:2020年7月5日

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患者の権利を守る会は林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2019年8月30日付で公開質問状を送付しました。


立正佼成会附属佼成病院 御中

病院長 甲能直幸 様


公 開 質 問 状(5)

2019年8月30日


前略

 月日が経つのは早いもので朝夕の涼しさには、いくらか秋の気配も感じられるこの頃となりました。病院長様におかれましてはご健勝でお過ごしのこととお喜び申します。

私達は、貴院総務課 小林謙之職員より、2019年6月27日に病院長様が、私達の面談をお断りなされた主旨のご連絡を頂きました。そのため病院長様には6月30日付で公開質問状をご送付致しました。しかしながらご返事がありませんので、7月19日、8月2日、8月17日とご回答の督促を致しました。今回で5回目のご送付となります。

また、私達が面談を申し入れたのは、公開質問状を持参してお渡しするだけではなく、貴院は宗教法人立正佼成会が運営する病院であることから、貴院の理念にあります「真観」の意味や「医療と宗教、倫理」などお教え頂きたく思いました。


 人として一番大事な命を預かる病院には、医療の透明性が求められます。患者の疑問に向き合い議論を深めて改善すべきは改善していくことこそが、開かれた医療への実践として尊い行いだと私達は考えます。


 林田医療裁判で患者の主治医である岩﨑正知医師は、「患者さんには、治療の意思確認はしない。キーパーソンさんと話す」などご自身の理念を述べられました。

 また岩﨑医師は、患者の長男をキーパーソンとしました。そして、患者の治療についてキーパーソンの治療拒否の要望に従いました。しかし、他の家族達は、貴院よりキーパーソンについての説明を受けていませんでした。患者が亡くなった時も他の家族達は、「死ぬとは思わなかった。持ち直すと思っていた」等を話していました。他の家族達は、キーパーソンが治療を拒否したことを知りませんでした。


キーパーソンについては、前回2019年8月17日付公開質問状(4)でもふれましたが、病院によってまちまちなのです。

医療実務にキーパーソンの意見しか聞かないという感覚が残っていることに一石を投じるものです。キーパーソンが、いかなる手順で、関係者の合意を得て選任されたのか、キーパーソンは患者の主観的気持ちを擁護する立場で発言しているのか?それともキーパーソンが自己に有利に発言しているのではないか?など問われます。


また、貴院のように長男がキーパーソンになる前提は、家長の意見が優先される戦前ならばいざ知らず、価値観が多様化している現代では、人種、年齢、性別、宗教など人それぞれが持つ価値観が重視されており、21世紀にどのように受け止められるかを問う意義があります。


もし、患者の意思を確認しないで、また家族達と協議することもなく、キーパーソン一人の要望で治療が中止されるのなら患者は心配でおちおち入院してはいられなくなります。某病院の入院患者は、「俺はそのうち殺されるのか?」とお見舞いに来たご子息に聞いたそうです。

貴院では、キーパーソンの役割をどのように設定されているのでしょうか?教えてください。


いつものように第1回公開質問状を掲載いたします。ご回答は、2週間以内にお願いします。ご回答の有無にかかわらずネット上に公開することによって、ますます議論を深めて行くことを願っています。

残暑の折お体をご自愛ください。



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