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執筆者の写真林田医療裁判

林田医療裁判の公開質問状63医師の理念

更新日:4月13日

立正佼成会附属佼成病院へ63回目の公開質問状を送付しました。

理念は人それぞれであり、担当医師の理念と患者・家族の理念が同じとは限らないです。

何が患者の幸せなのかは、複数人で慎重に議論することが不可欠であると考えます。

ご覧いただければ幸いです。

We have sent our 63rd open letter of inquiry to Rissho Koseikai-affiliated Kosei Hospital.

Each person has his/her own philosophy, and the philosophy of the physician in charge is not always the same as that of the patient/family.

We believe that it is essential for several people to carefully discuss what makes patients happy.

We hope you will find this information useful.


立正佼成会附属佼成病院 病院長 市村正一 様

公 開 質 問 状(63) 2024年4月12日

前略

高齢者の命の大切さ、たった一つの命にこだわって63回目の公開質問状をご送付致します。今回は、林田医療裁判で注目されている中の一つである担当医師の理念について議論致しました。


林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償事件)では患者の長男一人からの要請で治療方針が決められました。医師記録(カルテ)の2007年8月20日には「family (son)は延命につながる治療を全て拒否。現在Div.(点滴)で維持しているのも好ましく思っていないようである」と書かれています。立正佼成会附属佼成病院の主治医は「カルテ記載内容の補足として、私は、大事を取りすぎて、意思疎通ができないまま寝たきり状態になるのが最善とは言えない、という主治医の理念をわきまえた上での延命治療拒否だと思いました」と陳述しました(乙A第3号証8頁)。  


これは、長男の治療拒否は、岩﨑医師のお考えに基づいたものであることを意味すると受けとめられます。つまり、佼成病院では、担当された岩﨑医師の理念によって患者の意思確認はしない、治療をしないで自然死の方針とするなどが決められました。


治療方針の決定は、患者や家族がより広範な情報や意見を得ることが重要です。特に、患者の意思確認や家族との十分な協議が行われないまま、一方的に治療方針が決定された場合、それが適切かどうかについて疑問が生じます。


治療方針は可能な限り患者や家族との十分なコミュニケーションや情報提供が行われるべきだと考えられます。医師が自らの理念や判断に基づいて治療方針を決定する場合でも、それが患者や家族の意向と合致しているかどうかを確認することが不可欠です。


林田医療裁判の事例は、医療現場での情報提供や意思決定プロセスの重要性が再確認されると同時に、個々の医療従事者がどのような判断基準や倫理観に基づいて行動するかについて考える機会となります。


生死に関わる重大な決定を複数人で協議説明することなく、同意書もなく、一人の医師によって決定されたことについて市村院長先生は、どのようにお考えなのでしょうかお尋ねいたします。前回の質問状(62)でも触れられていたこの問題について、より詳細なご意見を伺いたく存じます。

(前回質問状(62)2頁では、市川院長先生とお名前を間違えましたことをお詫び申し上げます。)


私達の目標は、医療の質の向上と共に、信頼と透明性を築いていくことです。林田医療裁判を契機に、患者と医療機関とのコミュニケーションを深め、より良い医療環境を共に築いていけることを願っております。これからも、インフォームド・コンセントを基に、より健康で安全な医療環境を築いていくことが求められます。


いつものように2019年6月30日付 第1回公開質問状を以下に掲載いたします。ご回答は郵送でお願いします。患者主体の開かれた医療にするためには、市民と共に考え、議論を深めることが必要です。この質問状は、ご回答の有無にかかわらずネット上に公開させて頂きます。

草々


*****

         公 開 質 問 状(2019年6月30日 第1回)

第1 質問事項

1.患者の家族の中の悪意ある人物により、経管栄養が操作されるリスクに対して、その予防や検知の対策を採っていますか。採っている場合、その具体的内容を教えてください。

2.複数人の家族の意見から本人の意思を推定する取り組み内容を教えてください。

3.「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の強調する繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください。


第2 質問の趣旨

 1  林田医療裁判では、経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が問われました。林田医療裁判の提起後には、点滴の管理が問題になった大口病院の連続点滴中毒死事件や自己決定権が問題になった公立福生病院の人工透析治療中止問題が起きました。また、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」は2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に改定され、意思確認を繰り返し確認することが求められました。林田医療裁判において問われた争点は「終了」しているのではなく、現代日本の医療の問題と重なり問われ続けています。


 2  そこで、私達は林田医療裁判を経験し又その経緯を知った者として、広く医療の現状と課題について考察し、患者の安全と幸せは何かを探求しています。そして、このような問題は広く社会に公開して議論を深めていくことが、適切な医療を進める上で不可欠であると考えています。とりわけ貴病院は、経管栄養の管理や治療中止の意思決定の問題について直面された医療機関として、適切な医療を進めるためのご意見をお寄せになることが道義的にも期待されるところであると思われます。


3  従いまして、上記の質問事項に回答をお寄せ頂けますよう要請いたします。この質問と貴病院の回答はネット上に公開することを予定しています。このような公開の議論の場により、医療機関と患者ないし多くの市民の方が意見を交わし、相互の認識と理解を深め、適切な医療を進める一助にしたいと考えています。この公開質問状の趣旨をご理解いただき、上記の質問事項に回答を寄せていただきたい、と切に要望します。ご回答を連絡先まで郵送してください。回答締切日を二週間以内にお願い致します。


以上




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