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執筆者の写真林田医療裁判

透析の見合わせに関する現状と課題

林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)では患者の長男と主治医の意見で治療拒否の方針が決められた。主治医は、長男が医師の理念を踏まえて選択したと陳述した。長男以外の家族の意見は確認されず、方針の都度確認や見直しもなされなかった。


これは透析見合わせの実態と重なる。論文では医療チームでの話し合いなしに医師が申し出ることを「驚き」と表現する。林田医療裁判の実態も驚きになるだろう。


「透析見合わせを,医師が医療チームでの話し合いなしに最初に申し出たのが 33.5%であったのは驚きがあった。人生の最終段階の医療とケアに関する SDMにも,カンファレンスなどの開催を条件に診療報酬を加算することも一つの方法である。新提言では,必要な場合に,担当者以外の医療・介護従事者によるカンファレンス,倫理委員会,複数の専門家からなる委員会の開催を推奨している。しかし,推奨していない担当者の医療・介護従事者によるカンファレンスが56.6%と最も多く,可能な限り担当者以外のメンバーを加えるような配慮が必要である。患者が CKM を選択した後,受診時または入院時には適宜,意思決定の変更について確認していない症例もあり,新提言に準拠しない見合わせ率 18.1%をさらに低下しなければならない」(岡田 一義, 田代 学, 岩城 真帆, 井上 朋子, 島 久登, 水口 潤, 川島 周「透析の見合わせに関する現状と課題―全国実態調査より―」日本透析医学会雑誌第55巻第10号(2022年)559頁)




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