山中伸弥・京都大学教授と西浦博・北海道大学教授のオンライン対談で以下の指摘がありました。
山中さん「対策をしなければ今からでも10万人以上の死者が出る可能性がある」(「コロナ、山中氏「対策なければ日本で死者10万人以上」」日本経済新聞2020年7月10日)
西浦さん「日本人が死亡するリスクが低いかというとそうでもない。重症化の頻度は(欧米と)変わらない」(「感染増「今は制御困難」 西浦氏、山中氏との対談で語る」朝日新聞2020年7月10日)
新型コロナウイルスは治療法が確立されておらず、インフルエンザの死者と比較することは正確ではない。スーパースプレッダーsuper-spreaderが生じる点でもインフルエンザとは異なる。スーパースプレッダーは通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす感染者である。インフルエンザの知見が役に立たない。
近時の感染者は重傷者率が低いとの指摘があるが、今感染している方の多くが重症化していないというだけである。ウイルスそのものの危険性が下がっている訳ではなく、治療法が明確化された訳でもない。感染者から重症化しやすい人に感染したら容易に重症化する。
企業は出社制限や会食禁止などの自衛策をとるところも出ている。LINEは緊急事態宣言解除後に週1日以上出勤するルールを設けたが、このほど都内オフィス勤務者を対象にこれを取り下げ、不要不急の外出を控えるよう社員に通達した(「都内感染増、対応悩む企業 出社や会食制限も」日本経済新聞2020年7月10日)。公務員感覚よりも民間感覚の方が危機意識が高い。
世の中には様々な意見があるが、感染が拡大しており、緊急事態宣言解除時に想定した基準を上回っているどころか、過去最高を更新している。積極的な感染拡大防止策が必要との意見に妥当性を感じる。事態を楽観視することは間違った姿勢になる。WithコロナのNew Normal時代はコロナ感染と共存する社会ではないだろう。新型コロナウイルスという脅威を認識して感染拡大防止に注意する非接触型社会だろう。
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