立正佼成会附属佼成病院(東京都杉並区和田、杏林学園教育関連施設)では患者から女性看護師に新型コロナウイルス(COVID-19; coronavirus disease 2019)が院内感染した。佼成病院の新型コロナウイルス感染はクラスターになりかけたという重大性の割には報道が少なく、具体的な情報が乏しい。幾つかの想定感染経路が明らかにされた。
「1つは80代の男性患者の入院時に尿の掃除や、抱きかかえてベッドに寝かせるなどの介助をしていたこと。もう1つは、マスクをしていたが70代の女性患者と長時間話していたことだ」(井艸恵美「新型コロナ院内感染、そのとき何が起こったか 東京・佼成病院が経験した「苦闘の3週間」」東洋経済Online 2020年4月4日)
「抱きかかえるような行為があったのが1点、もう1つは院内で、し瓶を使って排尿していたので、介しての感染があったのではないかと」(「「診療の半分を感染者対応に」 東京「佼成病院」が訴え」FNN 2020年5月4日)
どちらも感染経路を2つあげるが、実質は3つになる。し瓶を使って排尿していた感染者の尿の掃除と抱きかかえてベッドに寝かせるなどの介助、マスクをしていたが長時間会話をしていたことである。
東洋経済報道は3つの理由の全てを挙げる。FNN報道は長時間の会話を可能性から外している。佼成病院は病院に入る人にマスクの着用を義務付け、マスクが不足していると一般からマスクの寄付を集めている。マスクに効果がないとの可能性を出したくないのだろうか。
感染した看護師がマスクを着けていたことは当初から報道されていた(「国内で新たに8人感染 東京で看護師院内感染か」日本経済新聞2020年2月29日)。マスク至上主義的な発想は改める必要がある。マスクをしていても長時間の会話は危険である。また、佼成病院はマスクをしていたと発表するだけでなく、正しく脱着していたかを検証する必要がある。
Comments