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執筆者の写真林田医療裁判

脳科学研究と人文社会科学の接点領域にある緊張と可能性

ゲノム問題検討会議はセミナー『脳科学研究と人文社会科学の接点領域にある緊張と可能性』を2023年3月17日に現地とZOOM併設で開催します。脳科学研究に関してはほとんどの市民には関心を持たれてないようです。事故や病気によって失われた脳神経、運動神経を人工的な電気信号によって補うことも出来るようですが、人間同士の価値観、社会にどう受け入れていくかも議論する必要があります。またデュアルユースとなるこの技術どのように捉えたら良いかを皆さんと考えることができたらと、専門家によって講演していただく企画です。

10月15日に行った、ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)のpart2です。


ヒトの脳活動は複雑で、運動や感覚のみならず認知、思考、言語活動、想像力、そして他者とのコミュニケーションなど高次レベルでの活動を可能にしています。以前は、その脳の活動の源泉がどこにあるのかといった解剖学的知見と生理機能的側面との関連による脳機能局在を探る、要素還元論的な研究が展開されてきました。しかし、21 世紀に入り情報通信系科学並びにコンピュータ科学が発展すると、脳における活動を画像化しそのシグナルを取り出すことにより脳の機能を詳細に解析するとともに、得られた脳のシグナルを出発点として脳全体に亘るグローバルネットワークとしてその暗号構造を解明することにより脳の活動を読み解くことが可能になってきました。また、社会や環境との相互作用を通じたに介入によって脳内のシグナル・ネットワークの状態を操作することで脳機能が変化することが明らかになってきました。


こうした脳科学の研究活動は、ヒトを人間たらしめる精神活動ともいえる「自我」や「思考」「自意識」、そして社会生活を営む上での「価値観」「信仰」「美意識」などの神経基盤の理解にもつながるのではないかという期待から、哲学・倫理学・宗教学などの人文社会科学との接点を増やしつつあります。また、単なる学術研究の域を超えて、アート産業やエンタティメント産業との接点を模索し、新たな人間の能力の開発、拡張への挑戦の機運もみられます。


このような脳機能構造と社会や環境を有機的に相互作用する総体ととらえて人文学・社会科学と融合する研究は、新しい人間理解につながると同時に、この研究がさらに進展していくと、これまでの人類の価値体系や社会通念に対して変革を迫る技術や科学的エビデンスを提起してくることも考えられます。その時、我々社会はどのように考え、受容し、あるいはガバナンスを構築したら良いのか、皆さんと共に考える機会にしたいと思います。奮ってご参加ください。


日 時 :2024 年3月 17日(日) 13 時 30 分~16 時 30 分 (開場 13 時より)

場所 :国立オリンピック記念青少年総合センター

センター棟 306

JR 東京駅から JR 中央線 約 14 分 新宿駅乗り換え小田急線 各駅停車 約 3 分

参宮橋駅 下車 徒歩約 7 分

小田急線 参宮橋駅下車 徒歩約 7 分

講 師 入来篤史さん(国立研究開発法人理化学研究所 未来戦略室 上級研究員)

「(仮)脳科学研究と人文社会科学の接点領域:探索と思索の歩み」

司 会 島薗進さん(大正大学客員教授、東京大学名誉教授)

参加費 :1,000 円 (現地参加 及び Zoom とも)



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