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執筆者の写真林田医療裁判

沖縄米軍基地で新型コロナウイルス61人感染

沖縄県は2020年7月11日に米軍基地内で確認された新型コロナウイルスの感染者を61人と公表した(「米軍のコロナ感染者は61人 沖縄県が公表 知事、四軍調整官と電話会談」琉球新報2020年7月11日)。うち38人は普天間飛行場で確認され、基地内でクラスターが発生しているとみられる。

これまで沖縄県は米軍の了解が得られていないとして非公表にしていた。公開の了承が得られた背景には、感染米兵の治療のために沖縄県の医療資源を利用したいという思惑があるのではないか。

観光客を遮断しても、米兵は検疫なしで入国し、周辺の街に繰り出すためにウイルス拡散を防げない。2週間の待機もしていないだろう。米軍基地が米国であるというならば入国手続きが必要でないか。沖縄の米兵が横田基地に移動することもあり、沖縄県だけのリスクではない。

「日本は水際対策として米国からの入国を拒否しているが、米軍については日本の基地に直接飛行機で入ることが可能だ。日米地位協定上、入国時には日本の検疫が適用できない」(明真南斗「緩いフェンス、高い情報公開の“壁” 沖縄米軍61人コロナ感染」琉球新報2020年7月12日)

沖縄県中部では6月と7月に大規模なバーべーキューパーティーが開かれ、米軍関係者や日本人も参加していた(「沖縄の米軍でコロナ大規模感染を確認 複数施設で60人超との情報」琉球新報2020年7月11日)。東京では夜の街が問題視されているが、バーベキューも同じである。大人数が同じ場で飲み食いすることが感染拡大の原因になる。

「大規模なビーチイベントは「BBQ」名目で6月13日に中城村、7月4日にうるま市で行われた。ダンスミュージックなどを大音量で流し、6~7時間行われた」(「米軍、基地を出てイベントに数百人 6~7月、集団感染原因か」琉球新報2020年7月12日)


東京都の2020年7月11日の新型コロナウイルス感染者数は206人。9日の224人、10日の243人に続いて3日連続で200人を超えた。「接待を伴う飲食店などの「夜の街」関連が48人に上り、うち新宿区での感染が32人を占める。現時点で感染経路が不明な人は、全体の49%にあたる101人だった」(「経路不明が5割弱、クラスターも 連日200人超の東京」朝日新聞2020年7月11日)

新宿では舞台でクラスターが発生した。新宿シアターモリエールで2020年6月30日から7月5日上演された舞台「THE★JINRO―イケメン人狼アイドルは誰だ!!―」の出演者やスタッフ、観客の新型コロナウイルス感染が判明した。感染拡大には以下の事情がある。「一部の出演者は出待ちしたファンに握手やサインなどをしていたが、こうした感染予防の意識の低さも感染拡大につながった可能性もある」(「クラスター発生の山本裕典主演舞台、出演者が体調不良でも上演強行…主催者側把握か」スポニチ2020年7月12日)

「夜の繁華街への外出は避けることはもちろんのこと、東京都内では再び不要不急の外出を控えるべき段階に来ていると考えます」(忽那賢志「新型コロナ感染者増で新宿区など都内の医療機関はどうなっているのか」Yahoo!ニュース2020年7月5日)

陽性者に重症者が少ないことは安心材料にならない。陽性判明と重症化はタイムラグがあるためである。「新型コロナウイルス感染症は発症してしばらくしてから悪化するからです。典型的には、発症から7~10日経ってから悪化します」(忽那賢志「東京都の新型コロナ 「若者中心であり重症者が少ないから大丈夫」は本当か?」Yahoo!ニュース2020年7月11日)

不安を煽る報道に批判的な意見があるが、新型コロナウイルス対策はSocial DistancingやStay Homeと対策が明確である。無意味に不安を煽るとの主張は筋違いである。むしろ、パニック防止を名目として危険性を警告せず、安全神話を強調する御用学者に要注意である。危険の可能性があるならば可能性レベルとして危険を警告することが正しい。



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