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  • 執筆者の写真林田医療裁判

公立福生病院透析中止死亡裁判の証人尋問と本人尋問

#林田医療裁判 を考える会は公立福生病院透析中止死亡裁判を支援します。


公立福生病院透析中止死亡裁判は2021年7月14日、東京地方裁判所104号法廷(大法廷)で第8回期日の口頭弁論を実施した。公立福生病院担当医の証人尋問と患者の夫の原告本人尋問を行った。


傍聴整理券が配布された。整理券配布時間は9時30分から9時40分である。傍聴券配布時間が短く、午後の法廷なのに朝に行かなければならないところは不便である。裁判報告会は同日午後5時から参議院議員会館101会議室で行われた。オンライン(Zoom)でも実施した。


公立福生病院透析中止死亡裁判は以下の日程で進行している。

2019年10月17日、提訴

2020年7月22日、第1回期日、口頭弁論

2020年9月14日、第2回期日、弁論準備手続

2020年11月13日、第3回期日、弁論準備手続

2020年12月25日、第4回期日、弁論準備手続

2021年3月8日、第5回期日、弁論準備手続

2021年4月27日、第6回期日、弁論準備手続

2021年6月10日、第7回期日、弁論準備手続

2021年7月14日、第8回期日、口頭弁論(証人尋問・原告本人尋問)

2021年8月27日、第9回期日


公立福生病院担当医は証人尋問の主尋問でカルテにDNARが記載されたと証言した。DNAR; Do Not Attempt Resuscitationは心肺停止状態になった時に二次心肺蘇生措置を行わないことである。心肺停止後に二次心肺蘇生措置を行わないだけで、治療の全般的な差し控えではない。


林田医療裁判でもDNARは論点になる。林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号損害賠償請求事件、平成28年(ネ)第5668号損害賠償請求控訴事件)を取り上げた第12回「医療界と法曹界の相互理解のためのシンポジウム」では参加医師から「問題になるかもしれない」と指摘された。


「今だったら多分もしかしたら問題になるかもしれないですよね。要するに延命治療と、それから緩和治療と、それから徹底的に治療するということと、下手すれば安楽死になってしまうような、要するにやめてしまうと、不開始だけじゃなくて中止と、ここら辺の区別がちゃんと説明されたか」(判例タイムズ1475号、2020年10月号、15頁)


原告代理人の反対尋問では医師のカルテに記載のない主張について追及された。「手術などで忙しかったために書くことを忘れた」という回答であった。


この裁判で遺族側は医師が透析中止を撤回できる旨の説明をしなかったことを説明義務違反と主張している。原告代理人が「いつでも撤回できると書くべきではなかったのか」と質問すると、「そうかもしれない」と回答した。


人の意思は変わりうるものであるため、繰り返しの意思確認が求められる。これは「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」で定められている。患者の権利を守る会の公開質問状でも「繰り返しの意思確認を実現するために取り組みをしていますか。している場合、その具体的内容を教えてください」と質問している。


裁判官の補充尋問では「患者が手術をしたくないと言った時に、どうしてそれ以上の説得をしなかったのか」「医療としては、透析の継続を勧めるものではないか」との質問が出た。これは林田医療裁判にも重なる。林田医療裁判では長男が延命につながる治療を全て拒否した。長男が拒否したからそれに従うものではなく、長男を説得したり、他の家族などの意見も確認したりするものではないか。



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